リチウムイオン電池の開発最前線に異変 (白水徳彦の「世界自動車事情」):NBonline(日経ビジネス オンライン)では、米GMのプラグインハイブリッド自動車に採用が検討されているA123システムズのリチウム二次電池をとりあげている。理由はトヨタが開発を進めているリチウム二次電池よりも安全性能に優れているからだとしている。
A123システムズの電池は、トヨタのハイブリッド自動車プリウスをプラグインハイブリッド化する市販キットにも使われている。実際にこの電池を乗せた改造プリウスが米国では走っているらしい。米国のアルゴンヌ国立研究所では性能評価試験もしている。
ところで、リチウムイオン電池は、二次電池の一種である。 二次電池としては鉛蓄電池、ニッケル水素電池などがある。ただ、他の電池系の名称が電極材料を表しているのに対して、「リチウムイオン電池」という名称だけでは電極材料がわからない。「リチウムイオン電池」にはいろいろな電池系が存在する。それぞれで使用されている材料が違うし、特性も違う。現時点では負極材料は炭素材料が適用されていることが多いが、いろいろな材料が開発されているため今後は変わってくる可能性がある。つまり、「リチウムイオン電池」と同じ名称で呼ばれていても、まったく別々の電池として認識したほうがいい。安全性能もそうだし、その他の特性もいろいろだ。
携帯電話などで使われる電池材料と、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動電源用などに使われる電池材料は違ってくるだろう。その理由は電池としての特性、資源量、製造工程、製造規模などから選択されてくるはずだ。自動車駆動電源用はどの電池系の「リチウムイオン電池」がいいか?各自動車メーカはまだこの選択をしている段階だろう。
日本で現在リチウムイオン電池を製造しているメーカ数は世界で最も多いと思う。それぞれ優れた技術力を持っている。そして継続してさらに性能向上をめざした開発をしている。ただ、これは個人的な意見だが、会社の規模は自動車メーカほどは大きくない。そして電池製造は設備コストがかかる。とくに自動車に搭載する電池ともなると、携帯電話用とは違い電池の大きさも格段に大きくなり、大規模な製造設備が必要になる。大量に生産するとなるとそのための技術開発が必要になる。 大型で安全性も含めて高性能な電池を大量に低コストで製造する技術、これが必要だ。そのための製造設備の開発、これも必要だ。このあたりをクリアしたメーカが抜き出てくると思う。日本の企業は製造技術の高さでは外国のメーカに負けていないと思う。だからまだ負けているとは思わないし、これから負けるとも思わない。
A123システムズの電池自体が優れている点はいろいろある。ただ、自動車に搭載される電池として大量に供給できるか、この点はよく注意してみておいたほうがいいと思う。




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