リチウムマンガンスピネル 
正極材料として資源量が豊富であり(世界のマンガン埋蔵量:約68,000万トン)、約4.0Vの放電電圧を有することから、コバルト酸リチウムに代わる正極材料として注目された。しかしながら、容量が100-120mAh/gと小さく、また60℃での充放電において、マンガンイオンが電解液中に溶け出し、さらに炭素負極上に析出することで、特性が著しく劣化することが問題であった。
二酸化マンガンは、従前からリチウム一次電池の正極として用いられており、リチウムイオンを吸蔵する特性は周知であったが、吸蔵放出反応の可逆性が十分ではなかった。1982年に出願されたスピネル化合物を用いた正極(特公平4-30146:サウス アフリカンインベンションズ(南アフリカ))の提案は、サイクル特性を有するリチウム・マンガン複合酸化物もカバーしており基本的な特許である。
その後、90年代に提案された、サイクル寿命を伸ばすための改善技術は、次の3種に分けられる。すなわち、スピネル構造のLiMn2O4に第三元素を含有させるもの(特開平4-233161:バルタ バッテリー(ドイツ)、特開平7-254403:ソニー)、典型的なスピネル構造ではないもの(特表平8-509098:ベル コミュニケーションズ リサーチ(米国)、特開平9-171817:ゼネラル モーターズ(米国)、特開平11-102701:三洋電機)、および、スピネル構造のLiMn2O4に他の結晶構造の酸化マンガンを混合するもの(特公平7-66833:日本電池、特開平7-73882:ハイパル、特開平8-7883:ソニー)である。
最近に至っても、このような出願が継続してなされており、マンガンは極めて安価であることから、今後も活発な実用化技術開発が続くものと思われる。




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